宅地建物取引主任者の職務と試験

 

【宅地建物取引業と取引主任者】

不動産取引業には必要不可欠の資格
 宅地建物取引業とは、宅地又は建物を自ら売買あるいは交換することを業として行う場合や、宅地又は建物の売買・交換・賃貸借について他人の代理、媒介を業として行う場合を指します。
 宅地建物取引業者が宅地建物取引業の免許を受けるための絶対的な要件のひとつとして、その事務所ごとに、従業者5人につき1人以上の専任の宅地建物取引主任者を置くことが、法律により義務づけられています。
 また、同様に、申込みを受ける案内所等では1人以上が必要ですから、この資格は、宅地建物取引業(者)には不可欠の資格といえます。

 

【宅地建物取引主任者の職務の内容】


取引主任者の三つの必須業務
 宅地建物取引業者は、宅地又は建物の取引に関する業務のうち、次の事項を取引主任者に行わせなければなりません。
 1.重要事項の説明
 2.重要事項説明書への記名・押印
 3.契約締結後交付する契約書への記名・押印
 これは、取引する不動産の権利関係やその変動、あるいは都市計画法や建築基準法等による公法上の規制や制限に関する事柄のうち法律上定められた重要事項を、顧客に対してきちんと説明し、そのことについての書類を交付するということで、それによりトラブルのない公正な取引=契約を確保するために取引主任者だけができる業務となります。

将来性
 有資格者のニーズは、今後も増えることはあっても減ることはありません。企業内における職務や待遇面での優遇、また、将来、宅地建物取引業者として独立するためには必要不可欠な資格です。

 

【試験の概要】

1.受験資格
  特に制限はなく、誰でも受験できます。

2.試験形式と出題数
  4肢択一形式で50問出題されます。
  なお、解答はマークシート方式。一部免除制度が実施されており、免除者は45問で受験します。(→【出題の内容と傾向】を参照のこと)。
  また、試験の全部免除制度はなく、(たとえ弁護士であっても)受験して合格しなければ資格は取得できません。

3.試験関係のスケジュール

7月上旬

受験願書の配布

 

各都道府県ごとに受験願書が配
布される。原則として居住する
都道府県で受験する。

 

 

7月中旬〜下旬

受験の申し込み

 

インターネット又は、郵送にて出願。

 

 

10月の第3日曜日

試   験

 

試験時間は午後1時から3時ま
での2時間で行われる。

 

 

11月末〜12月初旬

合格発表

 

所定の場所で合格者氏名を掲示。
又、ホームページへの掲載。
同時に、合格者には合格証書等が
郵送される。

 

【出題の内容と傾向】

1.出題科目と出題数

@土地・建物についての権利関係に関して
A土地・建物についての法令上の制限に関して
B宅地建物取引業法等に関して
C宅地・建物についての税制に関して
D宅地・建物についての鑑定評価に関して
E宅地・建物についての需要供給に関して
F土地・建物の概要に関して

 

14問
8問
20問
2問
1問
3問
2問


50問


※指定講習修了者の試験科目の一部免除制度について
 国土交通大臣の登録を受けた者が行う講習を受講し、修了試験に合格した者は、試験科目の一部を免除される。上記E間Fが免除され、45問(1時間50分)で受験となります。

2.各科目の出題内容と傾向
 @土地・建物についての権利関係に関して
 民法からは、総則・物権・担保物権・債権・相続の(親族編を除いた)おおむね全範囲から10問出題されます。また、民法関連法規として借地借家法・区分所有法・不動産登記法からも出題されます。

 A土地・建物についての法令上の制限に関して
 主に都市計画法及び建築基準法、国土利用計画法・農地法・宅地造成等規制法・土地区画整理法から出題されています。

 B宅地建物取引業法等に関して
 宅地建物取引業法及び施行規則等から出題されます。万遍なく出題されますが、特に出題頻度が高いのは、免許・取引主任者・営業保証金・重要事項の説明・未完成物件に関する規制・自己の所有に属しない物件の契約制限・手付け・監督処分等の項目です。

 C宅地・建物についての税制に関して
 不動産取得税・譲渡所得税・固定資産税・贈与税・地価税・登録免許税,印紙税等から出題されます。

 D宅地・建物についての鑑定評価に関して
 例年、地価公示法から出題されていますが、まれに鑑定評価の常識問題が出題されることもあります。

 E宅地・建物についての需要供給に関して
 住宅金融支援機構法、不当景品類及び不当表示防止法、統計問題等で出題されています。

 F土地・建物の概要に関して
 土地の地形・地質、建物の構造等の全般的な問題が出題されます。

3.受験者数、合格者数、合格率、合格基準点
 毎年18〜20万人が受験している大変人気の高い国家資格試験です。合格基準点は年により異なりますが、例年35問前後が合格点となっています。最近の状況は下表のとおり。

 

平成18年

19年

20年

21年

22年

受験者数

193,573

209,684

209,415

195,515

186,542

合格者数

33,191

36,203

33,946

34,914

28,311

合格率

17.1%

17.3%

16.2%

17.9%

15.2%

合格基準点

34点

35点

33点

33点

36点